2014年09月16日

木靴の樹 (1999年頃書いた感想)

昔のホームページを整理していたら映画の感想が出てきました。

オルミのこの映画、だんだん記憶が少しずつ曖昧になっていきます。
曖昧な記憶の中で、木を倒すお父さんのシーンだけが鮮明になります。
1999年ぐらいの自分はもう少し鮮明に覚えていたのかもしれません。
読み返しましたが別に面白くない文章でした。とくに最後の一文はつまらん終わらせ方です。
そんなん要らんわ! とおっしゃる方もいるでしょうが…どんな映画かという概要は分かります。

なぜこの映画の感想が目に止まったかというと、彼の近作について、ひとこと言いたかったからです。
わりと最近、オルミの映画が上映されるというので期待一杯で見に行ったことがありました。数年前でしょうか。このブログで見に行く予定だとだけ書いたような記憶があります。
しかし、もうタイトルも忘れました。川がどうのこうのってタイトルだったような。
とにかく、あれはダメでしょう! 中途半端でした。
デル(パソコンの)がスポンサーだったらしく、田舎の村人の集会にいきなり主人公のノートパソコン登場。
あのシーンには、我慢ならん!と思いました。
しかし、相変わらず自然光を大切にした撮影をしていました。その点は懐かしかったし、嬉しかったです。
でも、生きているうちに映画館でもう一度見たいのは、「木靴の樹」のほうです。

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「木靴の樹 」
1978年 イタリア 179分
監督:エルマンノ・オルミ
出演:ルイジ・オルナーギ、オマール・ブリニョッリ、
   ルチア・ペツォーリ

 19世紀末の北イタリアの貧しい農民の生活を、そこに生きていた農民の視点から描いた映画。この視点は、最初から最後まで徹底して変わらない。
 この映画は、貧農から搾取する側を安易に非難したり、清く貧しく美しく生きる者を脳天気に描いたりはしない。インテリの高みから型どおりに農民を描くこともない。そうした夾雑物を見事に取り除き、数組の家族のさまざまなエピソードを一見淡々と描いているが、その描写が実に緻密である。人々が大切にしている全てのものが、自然の光の中で輝いている。
 観客を惹きつけるのは、常套句でくくられるものから、はみ出したものだ。型どおりの言い方をするなら、「貧しさと闘い、ただひたすら生きることに懸命な」人々を描いた映画ということになるだろう。だが、極めて厳しい状況の中でも、登場人物たちは独自の価値観と幸福感を大切にして生きている。彼らはときに生真面目で、ときにユーモアと寛大さに満ちている。きわめて身近でありながら高邁なものを、この監督はいくつも見せてくれるのである。だがこの農民たちには、地主の納得しがたい処遇に抗する手立てはない。
 監督自らが撮影、脚本、編集を担当。彼の徹底したリアリズムの追求に、最高の賛辞が贈られるべきである。リアリズムという語は手垢にまみれた言葉であるが、やはりこの言葉なくして彼の映画は語れない。

(以上です。下の画像のお父さんの言葉がすばらしい。
 他にもいろんな話があったのに、記憶から飛んでしまいます。)

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2014年09月10日

iPadアプリでブログを更新しました。『ほとりの朔子』

iPadのアプリでブログの更新ができるというのでやってみます。
少し前になりますが『ほとりの朔子』という映画を見に行きました。
ちょっと前の写真ですがアップしておきます。
大阪、九条のシネヌーヴォ前です。2CDB8A23-5817-4DBD-8E4E-5536C6844028.jpg
『ほとりの朔子』は、二階堂ふみが主演でした。

彼女がきれいだから成立する部分はいろいろあるけど、主演が彼女じゃなくてもっと印象薄い女の子だったら、物語は引き立ったかもしれない
旬の女優使う難しさはあるけど、もう二度とこんな姿は見れないかもという映像があり、それに出会えたのは収穫でした。

脚本は相当考え抜いたもので、所々すごく面白い。夏の日に見た遠い記憶では終わらなそうな生々しい出来事はあっても、夏が終われば終了時間が来て、描写は途中まででおしまい。終わり際で朔子の今後についての決意が語られる。あえて消化不良気味を狙ったのかもだけど、少しは自然にまとまって行くよう工夫できなかったかと思う。でも題材は非常によかった。
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2012年04月10日

「ソラニン」(映画)とバンド映画を観る中年の気分

映画「ソラニン」をレンタルDVDで見た。
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世代的に全く自分と関係ないなあと感じながら、音楽をアジアン・カンフー・ジェネレーションが担当していたので、見ておこうかと思って借りてきた。原作のマンガは読んでいない。
前半は正直あまり興味が持てなかった。バンドものの映画というだけで、音楽やっているシーンはそれなりに楽しめるが、どこかで聞いたような話の焼き直しだった。主人公の芽衣子(宮崎あおい)が白いギャザーのブラウスを着ているのが何とも分かりやすいファンサービスに思えた。(この衣装は原作通りなのかもしれないが。)彼女が会社を辞めたくなる理由もありきたりだ。デモCDを送った先の音楽事務所での出来事もよくあるパターン。
しかし、芽衣子が一緒に暮らし、バンドでギターとヴォーカルを担当する種田(高良健吾)のバイクが赤信号を無視して突っ込んだ後、全てが一変する。そこからは喪失との闘いがテーマになる。それもまた、よくある話かもしれない。だが自分はこの展開を全く考えていなかったせいもあり、急に姿勢を正して映画に見入った。ドラム担当の桐谷健太の演技はやや大仰だが、この映画にはフィットしていた。近藤洋一(サンボマスター)の演技はこの映画の中で一番好きだ。

 人はよくだれかを「イタい奴」と言い放つ。しかし、何かを必死にやっている者は、第三者から見ればイタい人物に映るものだろう。大学を出てもバンドを続けたいためにフリーターになる奴はイタい、バンドに夢中になって留年している奴はイタい…などなど。「イタい」という言葉を避けたくて何かしらクールに振舞おうとしている人もまたイタい。こうして「イタいよ」「クサいよ」と軽い笑いの対象となることと戦うときに、誰もが孤独になる。だが、社会人にならざるを得ない年齢を迎えるとき、かげがいのないものを失ったとき、イタい人間をめざし、クサい言葉の世話になって、やっと前に進めることがある。イタいもクサいも他人の価値観との折り合いで生まれるだけのことだ…と、ついつい自分が使いこなせていない言葉について語ってしまった。

 話を映画に戻すと、美保純、財津和夫が出てきたのも嬉しかった。というわけで、10代、20代がターゲットの映画だろうけど、自分なりに楽しめた。

宮崎あおいバージョンの「ソラニン」が聴けるのはここ↓ですが、映画をこれから観る人にはおすすめしません。映画のセリフもこの部分だけ聞くと全く惹かれません(笑) 映画見た人だけどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=rFoRxIbUL9Y&feature=related
タグ:ソラニン
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最近見に行った映画…「ドライヴ」(ニコラス・ウィンディング・レフン監督)

久々の更新です。住んでいる築古年のマンションの桜がやっと咲きました。
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さて、最近はまた映画が見たくてしょうがない病気にかかってしまいました。
しかし、目の疲れがたまりやすので、週1本ぐらいしか見に行けないです。

最近、最高に面白かったのは「ドライヴ」ですね。

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主人公は映画のカースタントと車の修理の仕事をする一方、ときには強盗犯に雇われて逃走車両を走らせる。彼は同じアパートに息子と暮らす女性に惹かれるが、彼女には刑務所で服役中の夫がいた。夫は出所するが、厄介な男たちに強請りを受けていた…
(以下、ネタばれ要素あるかもです)
監督のニコラス・ウィンディング・レフンはデンマークでの作品は多いようですが、日本ではまだ無名のようです。デンマーク出身だからか、いかにもアメリカらしい題材を扱いながら、ハリウッドの娯楽作らしからぬ独特の雰囲気がありました。でも、手に汗握るって言葉を久々に思い出す映画なのです。寡黙な男を演じる俳優は、コップを握る姿も、ハンドルを握る姿もいちいちカッコいい。実直な人妻の感情を抑えた表情がいい。悪い奴はとことん悪い奴でブレがない…でも、それって、けっこう古いパターンなのでは? と訊かれたら、確かにその通りです。そして、自分のこだわりを守る男の美学にもブレがない…というのも懐かしいパターンです。決め台詞が様になるハードボイルド映画なんて、最近見ていませんでした。

後半は刃物グサグサ、というシーンがあってけっこうバイオレンス度高まります。かなりハードなB級感もこの監督の持ち味なのかも。そしてお約束のカースタントで車がゴリゴリと対戦するのも見ごたえありました。
面白いのは後半かもしれませんが、私は前半で、二人が恋に落ちそうになるとき、夫が刑務所から帰る知らせを伝えるときの、沈黙の流れるシーンや葛藤の描写が好きでした。定番的展開かもしれませんが、映画の前半はじわじわゆっくり進むほうが後半の加速を盛り上げると思います。効果音と音楽の使い方も面白かったです。
興行成績が良ければ、この監督は次に大作を手掛ける…ことになるかどうかは分かりませんが、この映画のように緊張感をキープできるコンパクトサイズの映画をまた見せてほしいです。

関連リンク:
http://nmn.nifty.com/cs/catalog/nmn_topics/catalog_mv201109post-1494_1.htm
http://www.news-gate.jp/2012/0331/12/photo06.html
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2011年05月24日

ベストキッド(2010年公開)

 ベストキッドのDVDを見ました。
 以前リンクしているタルさんの感想を読んで、見たいと思っていた作品です。
 以下ネタバレありますので、作品の詳細を知りたくない方はご注意ください。



 楽しい映画でした。リメークということですが、オリジナルは見ていません。主人公ドレを演じたジェイデン・スミスが可愛いので、映画について細かいこと言うのはやめようかと思いましたが、2時間以上の映画を見ると、やはりあれこれ言いたくなってしまいました。

 主人公の黒人の男の子が母の転勤のため、アメリカから中国にやってきて、新生活に溶け込みたくても、厄介な問題が起きていました。カラテの得意な中国人の男の子に集中攻撃を受けることになってしまったのです…
 前半部分は、じつに丁寧に、観客目線に徹した描写をしていました。ドレはどうして自分の悩みを母親に打ち明けられないのか、説明過多になることなく、すんなり理解できます。ドレの母親がデトロイトから中国に転勤することになったこと、仲良くなる中国人の女の子が、いかにも富裕層の出身らしく、バイオリニスト目指していることなど、成長著しい中国とそこに暮らさざるを得なくなったアメリカの黒人という設定にはかなりリアリティーがあります。そんな土台をきちんと描いているから、その後の夢のような話に熱中できるかもしれません。

 典型的な娯楽映画らしいプロット、著名人の息子の子役の起用などの条件では、下手をすればどうにもならない凡作が生まれることも多いのに、この映画はそうなりませんでした。子役のジェイデン君の演技力が最大限に引き出され、ジャッキー・チェンが風采の上がらないおじさんになりきり、全体にきめ細かな描写を心がけ、見ごたえのある作品に仕上がっています。

 ただし、この映画に批判的な人もいるようです。中国人の〈いじめっ子〉の攻撃があまりに執拗であったからかもしれません。日本人は、黒人の子が中国の学校でいじめにあう話にそれほど抵抗はなくても、アメリカや中国では受け入れがたいと思う人がいたようです。確かにあまりに生々しいシーンがありました。
 もちろんこの映画は中国人批判を意図したつもりはなかったはずですが、アメリカ人目線の映画であることは確かです。その上主人公の子どもが黒人なので、複雑な感情を呼び起こすことになります。この映画の設定そのものが、カラテが強くなりたいという単純な思いだけで済まされない要素を盛り込み過ぎているのかもしれません。

 しかしこの映画を見ている間は、とくにそんなことも考えず、いかにも今の中国でやっていそうなカラテ大会のシーンまで楽しく見て過ごしました。でもこの大会より、それまでの地味なシーンのほうが気に入っています。

(後日校正します・岡崎)
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2010年11月22日

今日見たDVD「第9地区」

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昔、サントリーのCMで「40の新人に拍手を送りたい」というセリフを誰かが言っていたと記憶しています。
それを聞いて、「おお、それなら間に合うかも!」と思ったのですが、いつしか40歳になったのも遠い過去になり…
何を達成するでもなく、今も語学学校で学んでいる自分ではありますが、そんなことを毎度ここに書いても仕方ないので、愚痴はおしまい。

今日は花屋の仕事でした。あんまり売れず、出せるだけの花を並べて帰ろうとすると、年末発注のチェックを忘れているのに気づきました。今どき電卓かよ〜とぶつぶつ言いながら先輩パートさんの発注案を確認しました。
11月の今頃一番花が売れないのです。前も書いたけど、高い花をお正月に飾るより、今飾ったらいいんじゃないのかと毎年思います。それよりは、小春日和に秋の風景を見に行くほうがいいのでしょうね。11月22日はいい夫婦の日ですが、うちの店でバラが売れるとは思えません(苦笑)
上の写真は2年前の万博公園の写真です。携帯のデジカメで撮りました。

やっと本題です。「第9地区」のDVDをやっと見ることができました。
前から友人が面白いと言っていた映画です。ピーター・ジャクソン製作。


最高級のBクラス映画でした。こういう設定の映画は他にあるのかどうか知りませんが、エイリアン居住区という発想にまず驚き、ヨハネスブルグにという街を選ぶセンスにも驚きました。
いろんな点で、バカバカしいという批判はできるのかも知れませんが、私はこういう映画が大好きです。暴力シーンは多すぎかもしれませんが、あっさりした描写なので、それほど気になりませんでした。
このように寓話っぽいところがある映画にはけっこうお説教くさいものも多いのですが、アイロニーはあっても、押し付けがましい主張はありません。ただし、映画に登場する傭兵配備や新兵器開発を商売にしする会社は、このレベルではないにせよ、似たものが実在しそうなので、社会風刺的だとは思います。

(以下、若干ネタバレありますので、これから見る人は読まないほうがいいかも)

面白かったのは、初めは見るのもうんざりだったエイリアン(映画では「エビ」と呼ばれていました)に、だんだん愛着が湧いてきたことです。最低な人間どもVS一人のヒューマニティーある知的なエイリアンという構図が最後に生まれて、殺伐とした映画に救いが感じられる気がしました。

主人公が魅力的な人物かというと、全くそんなことはないのです。そのことが荒唐無稽な映画に妙なリアリティーを加えていると思います。
そして、アフリカのマフィアが絡むところが、ますますこの映画のBクラス的な面白さを深めていました。マフィアたちがエイリアン相手にこんなに汚い商売をしているという設定は、アフリカンに対する差別にならないのだろうかと、自分はつまらない心配をしてしまいましたが、映画はおかまいなしに彼らの悪役ぶりを描いていました。
なんとなく現実のアフリカの内戦を思い出しましたが、この映画のリアリティーの出処は、アフリカを舞台にしている点に関係があるのかもしれません。
好き好きはあると思いますが、アホらしいものや暴力一切ダメ、節足動物顔のエイリアンがダメでなければ、かなりお勧めの映画です。
完全な娯楽映画、それもBクラス活劇でこんな快作に出会えるとは思いませんでした。ただし、この続編は作らないほうがいいような気がしています。

タグ:第9地区
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2010年05月23日

キャデラック・レコード (Cadillac Records)

昨日見たDVDは「セントアンナの奇跡」(スパイク・リー監督)と「キャデラック・レコード〜音楽でアメリカを変えた人々の物語」(ダーネル・マーティン監督)。どちらも、見てよかったと思うが、どちらかを選ぶとすれば「セントアンナの奇跡」のほうだ。長いけど、しみじみいい映画だと思った。「キャデラック・レコード」はブルースの歴史に触れるようで最初数分興奮したものの、(ビヨンセのファンには悪いけど)後半の展開でやや平凡な印象を受けた。

ただ、「セントアンナの奇跡」のほうはあまりに書きたいことが多すぎてまとまらないので、「キャデラック・レコード」について書くことにした。脚本については後半にもっと工夫があっていいと思ったけれど、ブルースの好きな人なら、この映画はかなり楽しめると思う。

最初、マディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)がまだストリート・ミュージシャンをやっていた頃のドブロギターの音がたまらない。(自分はこれ、ドブロギターだと思うのだけど、ドブロって商標らしい。その頃からこの楽器が流通していたのか分からないので、間違っていたらすみません)さらに、「フーチー・クーチー・マン」の演奏で、もう、幸せな気分になってしまった。自分の好みで言えば、この調子でずっと進んでほしかったのだが、これはそういう趣旨の映画ではない。当時黒人の音楽がまだまだ社会に認められていない頃、ブルースやロックンロールのレコードを世に出したレコード会社と、ここで育ったミュージシャンたちの物語である。
ハウリング・ウルフが義理・人情を重んじる頑固なミュージシャンとして描かれ、かなりかっこいい。エタ・ジェームズ(ビヨンセ)は歌手として成長する一方、薬物に手を出してしまう。主人公のチェス・レコード社長のレンの印税収入の分配は、果てしなくどんぶり勘定、マディを蔭でしっかり支える妻は、夫の浮気性に泣く…というように、チェス・レコードに関わる人々の人間模様を描く。

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自分が気になったのは、ジェフリー・ライトのギターと歌。どこまで本人がやっているんだろう? 俳優業だけでなく、この世界で生きていけそう。いまどきブルースでは、あまり儲からないだろうけど。

ビヨンセの歌については今更あれこれ言う必要はないだろうけど、彼女の出演シーンについては、歌手を目指す前の描写も入れればよかったように思う。ひたすら歌うシーンが多かった。歌が多いこと自体は悪くないのだけど、彼女の生活についての描写はもう一ひねりあってよかったと思う。
サントラ盤の、ジェフリー・ライトによるマディー・ウォーターズのカヴァーは、映画を観る限りおすすめと思う。自分も聴いてみたい。
自分はチャック・ベリーをモス・デフが演じていると気づかなかった。というか、どうも、あの二人が結びつかない。モス・デフはこれで何度目の映画出演なんだろう? 今は俳優業のほうが多いのだろうか。

マディ・ウォーターズ(本人)の「フーチー・クーチー・マン」↓


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2010年05月05日

GWが無事終わって、やれやれという気分・映画「アリス・イン・ワンダーランド」

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(←こいのぼりのつもりが、何か妙ななものに…)


GW最終日になった。前半は仕事からスタートして、その後家の掃除と来客のお世話、車で5分ほどの実家に行っただけで終わった。
息子がお嫁さんを連れて来るというので、物置となっていた息子の部屋を客用寝室にするという作業があり、これで体力の全てを使ってしまった。自分としては、劇的ビフォアアフターだと思うが、実際はどうなんだろう。とにかく、家族総出で対応すれば、薄汚い我が家もけっこうきれいになるものだと分かった。その分夕飯はあまり頑張れず、たこ焼きという手でパーティーらしくした。あとは刺身と肉じゃが。(じゃがいもが高騰していたのでびっくりした。イモ代だけで500円!)

こういう展開になるのが分かっていたので、GW突入前に「アリス・イン・ワンダーランド」を見に行った。レディースデーのため混み合っていたが、席は残っていた。
面白かったけど、抱腹絶倒という面白さではなかった。アリスが不思議な力を持つ剣を手に怪物を退治するというパターンは、ちょっと定番的過ぎる。でも、赤の女王がスティック代わりにさかさまのフラミンゴの足を持ち、ハリネズミのボールを叩く図を見ると嬉しくなった。このあたりは原作のアイデアの勝利かな。白の女王はアダムス・ファミリーみたいに濃いメークなのにすごくかわいい。女王対決の結果はとにかく、映画の中で一番気に入ったキャラは赤の女王。ジョニー・デップ様については、いつものはじける感じの演技がなく、比較的地味な印象を受けた。若干不完全燃焼かな。
そもそも原作が駄洒落とジョークをつないだようなものなのだから、軸となる話などべつに要らないと思うが、観客動員数確保するためには英雄伝説的な話も必要なのだろう。その点は自分の好みではなかったけれど、いろいろと脇役を活躍させてティム・バートンらしさを出していたのがよかった。

ところで、自分は、原作の「不思議の国のアリス」を最初から最後まできちんと読んだことがない。面白いところと退屈なところがつぎはぎ模様のように進み、駄洒落も英語で分かりづらく、笑いのツボも自分とずれている。映画や絵本のネタとしては限りなく魅力的だが、まとまりの悪さは原作の持ち味かも知れない。昔読んだ絵本で、赤の女王は「首をちょん切れ」と叫んでいたと思う。「ちょん切る」という言葉は残酷だけど子どもっぽい言い方で、面白かった。
alice-in-wonderland-2010-20091111030253267.jpg今回映画の中の赤の女王はCG処理されていたが、かなりキュートだった。こういう悪役こそ可愛く描いてほしいと思うので、何だか嬉しい。

最後に、自分は映画館でメガネ必須なのだが、それに3Dメガネ(?)を載せると肩が凝る気がする。メガネ族の観客用に大き目の3Dビューアー(正式名称知りませんが)を用意して貰えると有難い。
最後の最後に、この映画は別に3Dにしなくても楽しめた気がするが、テーマパークに来たような気分になれるという点では3Dも悪くないと思った。
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2010年03月26日

映画、DVDの感想:『インビクタス』『純喫茶磯辺』『インスタント沼』『少年メリケンサック』

映画、DVDを観ても感想を書けないことが多いけど、気になったことは記憶があるうちに書いておきたいと思います。元々俳優さんの顔が覚えられない人間なので。
映画館に行った後なら、ツィッターに書くのもいいかもしれないと思うけど、まだ書いたことはありません。
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『ハート・ロッカー』以外に観た最近の洋画は『インビクタス/負けざる者たち』
モーガン・フリーマンの演技を見たい人、ラグビー好きな人、南アフリカの現代史に興味にある人には特にお薦めだけど、ここ数年のクリント・イーストウッド監督の、いい意味での暗さが少なすぎて、自分は拍子抜けした。暗いといっても、暗い現実から逃げないという決意が根底にあるのが彼の映画であり、この『インビクタス』もその流れの中で捉えればよいのかもしれない。しかし、ここまでマンデラを礼賛する映画を撮るなら、他の監督でもいいような気がした。せっかくの「元気の出る映画」にケチをつけてはいけないだろうが、自分は『グラントリノ』のほうが好きだ。

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あと、DVDで観た邦画3本の感想など。

『純喫茶磯辺』
監督・脚本・編集 吉田恵輔 キャスト/宮迫博之、仲里依紗、濱田マリ、近藤春菜、ダンカン、和田聡宏、ミッキー・カーチス・斎藤陽介

宮迫の演技が全部好きかと言われたら、そうでもないのだけど、この映画での彼は最高に好きだ。呆れるほどダサい喫茶店のオーナーとなる彼の雰囲気、好みのタイプの女性を目にしたときの態度、などなどを、ごく自然に表現している。その娘役の仲里依紗の演技もやはり自然で、いかにも高校生らしい。そして、だらしないけど、モテる女という役柄を見事にこなす麻生久美子。役者も素晴らしいが、ストーリーもよくできていた。

『インスタント沼』
監督・脚本/三木聡、キャスト/麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、相田翔子、笹野高史、ふせえり、白石美帆、松岡俊介、温水洋一、宮藤官九郎、岩松了、松坂慶子

この監督の作品は数本観て、だいたいの路線は把握しており、毎回登場するふせえりや岩松了が出てくると「今度はこんな役なんだな」という思いで観ることになる。わりと最近DVDで観た『ダメジン』が頭に強烈に残っており、そのせいか、温水洋一が登場すると、そっちの映画に出ていた彼がオーバーラップしてしまった。こうしていろんな過去作のシーンが重なり、使い捨てては勿体ないような小ネタが満載となる。

麻生久美子はいつも通りの演技だけど、この映画も彼女にぴったりだから、演技がどうこうという話はあまり意味がなさそうな気がする。加瀬亮にパンクファッションが似合うのにはびっくり。
今回はツタンカーメン占いマシーンというのが一番面白い大道具だったが、これを盲信する女性を演じる相田翔子はこの映画一番のモテキャラだと思う。この変な占いマシーンと彼女の絡みが案外この映画のクライマックスシーンだったのかも。もちろん、三木作品にクライマックスなんて期待してはいけないのだけど。

『少年メリケンサック』
監督・脚本:宮藤官九郎 出演:宮崎あおい、佐藤浩市、田口トモロヲ、木村祐一、三宅弘城、ユースケ・ サンタマリア 峯田和伸 波岡一喜

主演の宮崎あおいは当然ながら見ているだけでかわいい女優さんで、その周囲に元パンクロッカーの薄汚いおっさんが並ぶ図はそれだけで絵になる。
木村祐一扮する作並春夫の若き頃を波岡一喜が演じている。彼が成長してキム兄になるのは相当無理がある気がしたけど、映画を見ているうちに違和感は消えた。この映画には木村祐一がとても馴染む気がする。兄弟だからこそ裏切りは限りなく腹立たしい。無表情な彼からにじみ出るような怒りが感じ取れた。
それにしても、パンクロッカーが老眼で歌詞も読めない、ボーカルは車椅子…現実にこんなバンドが近所にいたら、ぜひライブに行きたいと思うが、実際に音を聴いたら、ビール瓶投げつけたくなるかも。

写真は出演中のピエール瀧さんです。↓

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2010年03月15日

映画『ハート・ロッカー』(まだ観ていない方へ、ネタバレ多少あります)

T0008346pハートロッカー.jpg映画、『ハート・ロッカー』を観た。話題作ということもあり、満席だった。
http://hurtlocker.jp/



映画を観終わって思い出したのは、「(かみそりの)刃の上を動くなめくじ」という言葉だった。映画『地獄の黙示録』のカーツ大佐のテープの声の最初の部分である。ただし、この映画はカーツ大佐の「狂気」だとか、あの映画の謎めいた部分からは縁遠い。
最初のうちは、爆弾処理のプロである主人公は、頭がおかしいとしか思えない。だが次第に、それが「狂気」などという言葉で片付かないことに気づき始める。

映画の主人公の「勇気ある行動」は、はた迷惑のレベルを超える。三人で行動する爆弾処理班なのに、チームワークが成り立たない。主人公への不満が募る…
しかし、この三人の関係が、だんだん変わりはじめる。そのきっかけとなる戦闘シーンの緊張感は、今も自分の背中に張り付いている。

リアリティが尋常ではない。爆発シーンの恐怖よりも、それを回避できるか否かの緊張感が延々と続く。元々言葉が通じない国の市街で、国連ビルで、砂漠の中で、闘いは続く。

この映画の気に入っている点はいろいろあるが、まずはスローガンを排除しているところ。「…は、いけない」とか、「…は恐ろしい」という教訓を得るための映画ではない。安易なカテゴライズをしないところも好きだ。

主人公は、一見、戦争で精神的バランスが崩れた人物のように見えるが、実は誰よりも人間味のある人物である。
彼が仕事の達成感を楽しむような場面はあるものの、またすぐに恐怖との戦いが始まる。

説明の少ない映画だが、脚本に無理がないのか、話を追いやすい。細かいところが分からなくても映画には引き込まれて行くと思う。しんどい内容だが、中身の詰まった映画を観た充実感がある。
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2010年01月02日

新年のご挨拶と映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。


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3が日のうちに更新したかったので、コメントの返事より先に記事をアップしておきます。すみません。
正月らしい絵が描けなかったので、ウィルスと白血球の闘いをテーマにしたような絵を添えます。一部使いまわしです、すみません。
正月用の料理はほとんど作れずじまいでした。戻した棒ダラを買ってあったので、それだけは作りました。

今年は早々に、応援するバンドであり、ライブの手伝いをしているscopeの活動報告ができそうです。正式な告知はもう少し先になりそうです。自分自身がライブを大変楽しみにしています。


さて、映画の紹介です。オジさんたちが夢を捨てずにバンドを続けている話が映画になったと聞いては、やはり見に行かずにいられない気分になりました。ドキュメンタリー映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』は上映がほぼ終了しているとは思いますが、よろしければ、DVDなどでも見ていただきたいと思います。
ヘビメタなんかに興味はないという人もいるだろうし、一部ですが若干ヤラセ的なシーンもありました。でもあの映画はヘビメタファンのための映画というわけではないし、若干演技が入っているような場面があったとしても、ほとんど真実そのものを伝えた映画だと思います。サーシャ・ガバシ監督はアンヴィルをよく知る人物のようです。そういう人しか撮れないドキュメンタリーだと思いました。

とりあえず、かいつまんで説明を。

映画は1984年8月に日本で行われたメタルフェス『スーパーロック84』のシーンから始まる。出演バンドはANVIL、BON JOVI、SCORPIONS、MSG、WHITESNAKE。この中で、その後売れなかったのはANVILだけ。

かつてのアンヴィルのステージは、バイブでギターを弾くというあり得ないほどのオバカ度の高さで大いに人気を集め、演奏もかなり充実していたが、マネージメントにもレコード会社にも恵まれず、けっきょく地元で地味に活動することに。
二人のメンバーが交替し、オリジナルメンバーのリップスとロブは50代になっても夢を捨てきれずにいる。彼らはカナダで地味に働きながら、地元のバーで今もライブを行っている。
そんな彼らに、ヨーロッパ・ツアーの話が舞い込む。素人ツアーマネージャーは精一杯努力したものの、公演先ではトラブル続出。でも彼らは諦めなかった…

映画は彼らの地味な日常生活、家族たち、職場や、相当無理のあったヨーロッパツアーでのトラブルなど、売れないバンドの悲哀を伝える一方、ファンと家族の暖かい支援を描く。売れない彼らだが、案外安定した生活を送っていると思った。特にロブは、自分のドラム練習室を持ち、暇なときに不思議な油絵(アクリル画かも)を描いて家に飾っている。自分は彼の絵がけっこう気に入った。一枚トイレの絵があって、あれはちょっと飾りたくないと思ったけど。51JNb5SUhhL._SL390_.jpg

彼らは、自分らもプロなのに、マイケル・シェンカーやカーマイン・アピスの前ではただのファンのように振る舞っている。著名ミュージシャンたちに相手にされない様子が悲しかったが、リップスはあまり気にしていないようだった。ヨーロッパツアーの段取りの悪さにはびっくりだが、あれはあれで、バンドの収穫になったようだ。

最後は劇場映画らしい終わり方だった。泣ける映画だった。それと、ロブのドラムが気に入った。彼らのやっている音楽全体については、それほど好みではないのだけど。それでも、なかなかの実力派だと思う。
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2009年12月18日

「サラサーテの盤」の音源と映画「ツィゴイネルワイゼン」

なんとなくクラシック音楽を聴こうと動画サイトを徘徊していたら、映画「ツィゴイネルワイゼン」に出てきた「サラサーテの盤」の音源と同じものが出てきた。
 自分はクラシック音楽のことはよく知らないのだが、家族が「のだめカンタービレ」の再放送を見ていて、あれこれ聴きたくなったものの、サラサーテの綴りさえも分からない。しかしこれが意外にローマ字に近かったため、サラサーテの曲の演奏を録画した動画はすぐに見つかった。おそらく著名なヴァイオリニストと思われる名前が並ぶ中で、「ん?」と気づいたのが、サラサーテ本人の演奏によるツィゴイネルワイゼン。思わずアドレナリン全開、になったかどうかは分からないが、とにかく興奮してしまった。

自分の頭の中では常に、
鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」→内田百閧フ「サラサーテの盤」→田中陽造の脚本…
という具合に連想が進み、自分はツィゴイネルワイゼンを聴くと自動的にあの映画のシーンがいくつか目に浮かんでしまう。

映画を見た人はご存知だと思うが、あのレコードにサラサーテ本人の声が録音されていることが、あのミステリアスな話の中核にあり、映画でも主人公たちがこのレコードを聴きながら話すシーンが初めに出てくる(詳細は忘れてしまったが)。
演奏の途中で、サラサーテが何と言っているのか? 映画では謎のままだ。といってもこの映画は、謎だらけの世界で、現実と妄想が渾然としている。謎は謎のままになるか、他の謎を呼び込む。これという答も解決もなく映画は進んで行ったが、サラサーテが何と言っているのかは、やはり気になった。偶然録音された死者(サラサーテ)の声の謎とは…

映画の詳細はここにあります。「陽炎座」とセットでした↓
http://www011.upp.so-net.ne.jp/aunt/cinema-4.html

しかし現在、youtubeという便利なものがあるために、謎が謎でなくなってしまう。あのレコードは量産品であり、サラサーテが何を言っていたのかは、分かる人にはすぐ分かることだったのだろう。そう考えれば謎でも何でもないのだろうけど、映画「ツィゴイネルワイゼン」とその原作は、それを題材にミステリアスな世界を構築していったのだから、謎のままであってほしかった気がする。もちろんそれを知ったとしても、あの映画の面白さはびくともしないけど。

1904年録音のPablo De Sarasateによる" Zigeunerweizen "↓


ノイズは多いけど、前半部分が少し鮮明な気がする別バージョン(音源は同じ)↓
http://www.youtube.com/watch?v=uC64hVc8ZI0&feature=response_watch

サラサーテが言っているのは、レコーディングのための業務連絡のようなものでした。伴奏のピアニストに、曲の中間部分を残りを飛ばし、最終部分に入ると指示しているそうです。(用語に間違いがあればご容赦ください)しかし、コメントを書き込んだ人の言葉以外に手がかりはありません。間違っていたら教えてください。

コメント欄での自分のコメントの訂正など
鈴木清順の単行本の名前は「夢と祈祷師」です。後日別コメントにも書きましたが、こちらにも書いておきます。すみませんでした。

12月22日に「参考です」の続きを書き入れました。参考です
タグ:鈴木清順
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2009年11月13日

見に行きました:「Michael Jackson THIS IS IT」

映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を見に行きました。
2週間限定上映となっていましたが、あと2週間延長になったそうです。
2度3度と見たい人がいるでしょうから、延長になって喜んでいる人は多いでしょう。

くうたれさんのブログを読んで、やはり映画館で見てこようと思いました。ちょうどレディース・デイに時間があったので見に行くことができてラッキーでした。

自分はマイケルのファンではありません。何曲か覚えているだけ。
しかし、そんな自分でもじわじわ映画に引きこまれました。これから見に行く人に予備知識は要らないと思いますが、少し感想を書きます。

とても丁寧な作りのドキュメンタリーでした。本来リハーサルの記録として後々役に立てようというものがベースになっていますが、マイケルとスタッフたちが理想のステージを実現するために骨身を削るような努力をしている姿を目の当たりにしました。

歌の素晴らしさは言うまでもないですが、マイケルはバックを務めるミュージシャンに自分の意向を伝えるとき、時に非常に慎重に言葉を選び、ミュージシャンの士気を損なわないように気をつける一方、彼らを励ましてその能力をどんどん引き出していきます。これは自分が全く知らなかった彼の姿でした。自分の感性に合わないものは許さない彼ですが、どうすれは自分の主張が相手に伝わるかをとことん考える人だと思いました。自分が特に心を打たれたのは、ステージでのチームプレイを成立させる方法を常に考えるマイケルの繊細さと寛容さです。そしてそんな彼に応えようとするスタッフも素晴らしいです。
ダンスも素晴らしい、歌もいい…それだけを楽しんでもいいと思いますが、観る人それぞれにとって興味深い映画になると思いました。

公式ページを貼っておきます。
http://www.sonypictures.jp/movies/michaeljacksonthisisit/
タグ:This is it
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2009年10月03日

スポンサーのロゴと映画の関係、というか、因縁

感想をアップしようと思ってそのままになっている、オルミ監督の「ポー川のひかり」について、そのうち何か書きたいと思っているうちに、ずいぶん時間が経ってしまった。

かなり期待をした。ここにその気持ちを書いた。でも、何となく、あまり期待しないほうがいいという気もしていた。そして実際に観ると…正直言って、何ともすっきりしない気分になった。
図書館の床が釘付けされた本で埋め尽くされるシーンを予告で観て、おそらくこれがこの映画の中で一番衝撃的なシーンなんだろうという予測はついたし、川のある風景や村人たちの生活をあるがままにゆっくりと描くだろうと思っていた。その予想は外れていなかった。自然光を大切にした撮影も悪くはない。
しかし、何か決定的なものが欠けているように思う。この映画を撮り始めたときには、監督やスタッフたちには、どうしてもたどり着きたいと思う場所があったのではないだろうか。彼らが一番見せたかったものを、ついに見ることができなかったような気がしてならない。
自分のように、「木靴の樹」を観てこの監督の名前をしっかりと記憶に留めた者であれ、初めて彼の映画を観た者であれ、この映画は詰めが甘いと思ったのではないかと思う。日本人との宗教観の違いがどうこう、という問題ではない。いろんな点で中途半端なのだ。

こう書きながらも、自分はオルミ監督のファンだから、できれば誉め言葉でしめくくりたいし、この映画を多くの人に観てもらいたいという気持ちも変わらない。自分の意見など忘れて、ポー川のほとりで暮らす人々の生活を見てほしいと思う。実直な人々の姿を、彼らの目線から描く姿勢は、昔と全く変わっていない。テンポのゆっくりした、地味な映画だが、登場人物の表情は魅力にあふれている。

自分の個人的な文句に過ぎないと思うが、この映画で一番納得できなかったのがデルのノート・パソコンの使われ方だった。最後のクレジットに協賛会社として名前が載っていたから、どうしても登場させる必要があったのだろうと思う。最初のほうの、大学の講義でこれを見て講義をする教授のシーンでこれが登場するのはいいのだけど、村人たちとの会議の席で、教授の前に鎮座するノート・パソコンには「どこで充電したの?」とツッコミを入れたくなった。
そんなこと、全くどうでもいいことかも知れないが、リアリズムの追求がこの監督のウリであり、自分もそこにほれ込んでいた以上、自分にはどうしても納得できなかった。ただし、デルの出資がなかったら、最初のシーンの撮影はできなかったのかもしれない。この映画の製作はできなかったのかもしれない。

映画を見ていて、ある会社のロゴが不自然にアップになるとき、どうにかならないかと思うことがある。一番嫌だと思ったのは、スピルバーグの「マイノリティー・レポート」で、ブルガリとGAPの宣伝の入れ方が最悪だったこと。この手のタイアップは本当にうっとうしい。

だが、「ダージリン急行」を観たときは、マーク・ジェイコブスがデザインした特注のスーツケースが、主人公である3兄弟の次の登場人物のように映画に溶け込んでいる気がした。あのでかいスーツケースが、最後にはインドに置いて行かれてしまう。こういうことは、よほどの太っ腹の金持ちにしかできないだろうけど、ここに登場するカバンはそういう金持ちが旅行で雑に扱っても壊れないように頑丈に作られたそうだから、荒っぽい扱いを受けてもいいのだろう。
(ところでこの映画のメーキングを見たとき、登場する俳優さんの誰よりも、ウェス・アンダーソン監督がカッコいいと思った。)

基本的には、スポンサーは金やモノは出してもロゴは出さないようにしてくれれば有難いと思う…などと言ったら、どこの会社も金なんか出してくれないのかもしれない。あまり細かい文句ばかり言わないほうがいいのだろうけど、映画のリアリティーぶち壊しになるのは、回避してもらいたいと思う。
d-limited.jpg
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2009年08月28日

カムイ外伝

試写会にはいい思い出がないなどと言っている自分ですが、今日は「カムイ外伝」の試写会に行ってきました。。

 監督:崔洋一
 出演:松山ケンイチ、伊藤英明、佐藤浩市、小林薫、小雪


「カムイ外伝」のマンガのほうは、ほんの一部しか読んでいません。
 今回漁村の場面が多かったのですが、その方面は読んだことがなかったので、けっこう面白かったです。
しかし予想通り、出るわ出るわ、CG合成が。途中で、いくらなんでもこれはちょっと多すぎ…と思いましたが、案外後半入ったころから話が面白くなり、最初だけ頑張って後はダラダラって映画ではなかったです。全般には、まあ、力作であることは確かなんですけど…

忍者たちはマンガやアニメと同様に異常な身体能力で画面の中を飛び回っているし、洋画のパロディーみたいなものが出てくるし、完全娯楽大作と割り切っている映画かと思えば、妙に人情味を出そうとしたり、エンディングによく分からないテーマ曲流したりで、こういう映画にありがちな中途半端さは気になるけど、松山ケンイチのファンの皆さんは是非ご覧になったらいいかと思います。全力投球です。

 佐藤浩市扮するバカ殿様は、まあまあという程度ですが、漁師役の小林薫の演技がけっこう気に入っています。ハマリ役でしょうね。小雪(くノ一、スガル)はがんばってましたが、原作者が白土三平ですから、セクシーすぎない程度に着物が透けてもよかったのではと、後になって思いました。でも、そんなしょうもないことより、大後寿々花ちゃんの(「ちゃん」はもう要らないか)の熱い演技が光っていたことを強調しておきましょう。
 
 原作もそうですが、大量出血、大量殺人がダメな方にはおすすめではありません。だけど、どれだけ死体が出てきても、そんなに気持ち悪いとは思いませんでした。
 最初にカムイの秘技を説明するシーンは、白土マンガでは基本ですが、あれほどベタな紹介をするとは思いませんでした。変わり身の術とか、マンガの人気シーンがあれこれ出てきて、個人的には楽しかったです。
 PANTAが出ているんですが、自分はどうも彼が俳優業をやっていることに違和感があります。でも、脇でいい味出してますから、文句はありません。

 久々に白土三平の絵も見て、なんだか彼の書く忍者の脇キャラ風の絵を描きたくなりました。髪型は「ワタリ」が好きなんでそうしてみましたがうまく描けません。昔はマンガ雑誌の後ろのほうに似顔絵の描き方がよく載っていました。自分はそういうページまで読んでおりました。
白土風忍者のついた手ぬぐいとか作りたくなりました(忍者の総柄とか)。拙作を添付しておきます。
ninja1.JPG


後記:
伊藤英明扮する不動について、「顔が似ている」という意見を聞いたので、あとでマンガで確かめたいと思います。
カムイとの対決シーンはなかなか迫力があってよかったです。好感度重視の人かと思ってたけど、最近はこういう役をやるんですね。ちょっと昔なら、佐藤浩一がこの役にぴったりだった気がします。
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2009年08月02日

映画「扉をたたく人」と、映画予告編「ポー川のひかり」

先週水曜日に、「扉をたたく人 The Visitor(トム・マッカーシー監督)」を梅田ガーデンシネマで観た。またしてもレディーズ・デイなので予想通りお客さんが多く、立ち見になってしまった。(実際は座り見だけど)

主演のリチャード・ジェンキンスの演技がなかなかよいとあちこち評判で(PTRさんもほめていた)、自分が読んでいる新聞2紙にも映画評が載った。そして、実際に見て、納得の演技、納得の内容だった。登場人物の内面の描写は丁寧で(カメラは主人公を演じるリチャード・ジェンキンスの顔だけでなく、首の皺の隅々まで映し出す)、話の流れが自然で、登場人物の怒り、やるせなさに、ごく自然に共感できる。

ジャンベという楽器が登場し、その演奏シーンも楽しめた。音楽の趣味ではクラシック一辺倒だった男がアフリカンリズムに魅了されていく。
原題は'The Visitor'だが、邦題で使われた「扉」という言葉と、実際に映画に出てくる数えきれないほどの「扉」が開く場面は、この映画の重要な構成要素になっている気がする。日本での公開のために、随分いいタイトルをつけたものだと思う。
公式ページに予告があった。↓
http://www.tobira-movie.jp/

この映画もよかったけど、その前に、関西での公開を楽しみにしている「ポー川のほとり」の予告を見ることができた。



エルマンノ・オルミの映画は「木靴の樹」以来見ていないなあと思っていたら、下記公式ブログにその通りの文言の入った紹介があり、ちょっとびっくりした。
http://pogawa.exblog.jp/
一部ここから引用させていただくと

『ポー川のひかり』の監督、エルマンノ・オルミは
本作を長篇最後の作品としています。
言わば遺言のような映画です。

名作『木靴の樹』から30年。

ずーっと名もなき人々へ優しい眼差しを向けてきた監督は、
30年前に自分が撮る最後の映画のことをどう考えていたのでしょうか。

最後には彼がずーっと信じてきたあの人を主人公に据えることを思っていたりしたのでしょうか。

『ポー川のひかり』は、30年のときを経て、熟成した彼の愛情が詰まっています。


とあった。「熟成した彼の愛情」という表現がどうも引っかかるが、まるで自分のような映画ファンを狙って書いたかのような文言。

しかし、ちょっと待てよと私は考えた。
自分は30年ぐらいオルミの映画を見ていないが、オルミ監督は30年間、何をしていたのだろう?
全然知らなかったのだが、調べてみると、随分面白そうな映画を撮っている。
特に気になったのが、1988年の
イタリア語タイトル ' La Leggenda del Santo Bevitore'
(英語タイトル’The Legend of the Holy Drinker’
日本語タイトル「聖なる酔っぱらいの伝説」)
で、主演がRutger Hauerと書いてあるのを見て、何で今まで全く知らなかったのだろうと、すごく残念な気分になった。監督がオルミで、主演がルトガー・ハウアーの映画が存在したことを今まで知らずにいた自分って、どんだけボンヤリしてたんだろう、まったく。
映画の一部がこれ↓
http://www.youtube.com/watch?v=4vX4kS8Xp4A&feature=related

オルミ監督が撮ったわりには案外フツーの出来なのか、全く分からないが、中身が気になる。どうやら日本語字幕のビデオも売っていたらしい。今も手に入るようだが、DVDはないのだろうか…

自分の周囲にいたルトガー・ハウアーのファンは、かつて、彼は「ブレードランナー」以降、映画には出るものの、どうしてあんなにつまらん役ばかりやっているかと嘆いていた。その嘆きを先に聞くと、わざわざ追いかけるのも無駄な気がして、追わなかった。そして、「木靴の樹」が大好きだったわりに、自分はその後オルミの映画をチェックしなかった…

関係ない話が長くなったが、オルミ監督は30年間のうちにいろいろな活動をしていたようだ。こちらが知らなかっただけである。
試写会もあるんだろうけど、この監督の映画は試写会で見たいと思わないから、自分には関係ない。(そもそもズボラな自分は応募というのが全てめんどくさいのだけど、以前試写会でやたらマナーがない人の近くに座ることが多くて、試写会そのものがそれほど好きではない)
「木靴の樹」ほど気に入るかどうかは分からないけど、自分は絶対に見たいと思っている。東京ではもう公開されたそうだ。動画投稿では、世界の映画ドロボーが撮ったのか、名シーンらしきものが数センチの画面の中で動いている。これもあまり見ないようにして、久々にオルミの世界に浸りたい。時に筋書きを追うのを忘れそうなるぐらい、映画の中にとろとろと流れ込んでみたいと思う。
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2009年07月23日

長すぎてすみません:「ディア・ドクター」「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「ファントム・オブ・パラダイス」「ジャージの二人」

わりと最近見た映画とDVDについて書きます。(「ディア・ドクター」以外はDVDです)
単独で書いたほうがいいんだけど、限りなく書いてしまいそうなので、また4つまとめて書きます。

「ディア・ドクター」
西川美和監督
笑福亭鶴瓶、瑛太、八千草薫、余貴美子、香川照之、松重豊、岩松了、笹野高史、井川遥など

大人気で立ち見がでる盛況ぶり。どうしても「揺れる」と比較してしまうが、「揺れる」でこの監督がこだわったテーマは一部そのまま引き継がれていると思う。人の心に疑念が生まれても、あえて疑念のまま突き詰めずに受け入れていく場合がある。その宙ぶらりんの状態が危うく維持され、やっと持ちこたえている状況もある…この映画に登場する診療所で、看護婦、出入りの製薬会社社員、研修医は、じわじわとある秘密に気づき始めるが…

あまりネタばれしないように具体的なことを省いて書くと、どんどんつまんない抽象的な説明になってしまうが、映画は面白いし、身につまされるし、俳優の演技も申し分ない。
だが、前回の「揺れる」での重苦しさのほうが自分には合っていた。これもいい映画だけど、かなりメジャーになり過ぎた感じがする。松重・岩松了の刑事セットも、もう特に新鮮味はない。いい役者さんばかりで安心して見ていられるが、自分はそれほどこなれた映画にしてほしくなかったので、その点は期待外れだった。鶴瓶、瑛太はいいと思うのだけど、脇を著名実力派俳優で固めすぎ。「揺れる」での香川照之ほどのインパクトのある演技はなかった。
前回がよすぎるのかも。この映画自体は好きだが、ちょっと期待しすぎてしまったようだ。


「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」
若松孝二監督
坂井真紀、 ARATA 、伴杏里、地曵豪、 並木愛枝、 佐野史郎

若松孝二について自分は詳しくないが、彼の映画でなかったらそれほど興味を持たなかったかもしれない。彼がどんな思いでこの映画を撮るかと思うから、やはりこの映画に興味が生まれたと思う。彼が撮るならいい加減な映画にはならないはずだという思いは強かった。
見終わって、見てよかったとは思うが、映画としての構成はどうだったのかと問われれば、もう少し工夫できたのではないかと答えるしかない。
70年代という時代をまるで体験したことにない人たちに、この映画はどんな印象を与えるだろうか? かといって、映画で分からないことは「本で読め」と言い切るほど難解な映画でもない。
観る者に適度な情報を与えているようとしているが、しかしそれは自分がある程度の年齢だから分かることで、この時代の状況をよく知らない人とっては、初めて知ることばかりだろう。東大紛争に至るまでの経緯など、ある程度の全体的な流れをを踏まえなければ、あのあさま山荘事件については語れないということは、当然分かる。だが、やたら登場する年表的知識は参考にはなるが、結局中途半端だと思った。

この映画はあさま山荘事件より、それに先立つ山岳ベース事件がメインである。自分がもしそのことを知っていたら、この映画を見るのは先送りにしたかもしれない。陰惨な描写を避けようがないからだ。
正直言って、自分は永田洋子に関する話は全く好きではない。そもそもあれは左翼の話なんだろうか? この映画を見ても分かるように、左翼でもテロリストの話でもなく、異常者の話としか思えない。せっかく映画化されるのなら、彼女の新たな一面が見えるのかと思ったら、そうでもなかった。
しかし、彼女を演じた並木愛枝の演技力は最高だった。ほんと、いい女優さんだと思う。よくここまでこのサイテーな女を、ほぼ伝説の印象どおりに演じたものだと思う。狂信というもののバカさ加減をきちんと示す、素晴らしい演技だった。坂井真紀も頑張っていたが、並木愛枝が凄すぎたと思う。
あの山岳ベース事件で命を失った人たちへの思いの強さがこの映画を撮る原動力になったとすれば、陰惨な事件を赤裸々に描いた理由も分かる。ただ、これらのシーンは重すぎる。ここまでするなら、あさま山荘はいいから、山岳ベースの「総括」とは何だったか、それだけ描いてもよかった気がする。そうなるとただの異常者の描写になるだろうが、自分はそれでもいいと思う。歴史的事実については本でも読めるのだから。


「ファントム・オブ・パラダイス」
ブライアン・デ・パルマ監督
ポール・ウィリアムズ、ウィリアム・フィンレイ、ジェシカ・ハーパー、 ジョージ・メモリー

この映画こそ、長々と言いたいことがあるのだけど、上の二つで疲れてしまった。
ポール・ウィリアムズは演技も音楽も素晴らしい。デ・パルマ監督は成功者の割にはどこか小物的印象が強いので、超大作よりはこういう映画で一番いい結果が出るような気がする。(ただ、超大作でも、「ミッション・インポッシブル」はかなりよかったと思う)
現在に比べれば、特殊メーク技術がお粗末だけど、この映画で腐ったショービジネスの世界に君臨し、悪魔に心を売り渡した男を演じたポール・ウィリアムスが大好きなので、多少の難点は気にならない。

デ・パルマ監督は登場人物の微妙な心理描写がうまいタイプではないけど、この映画でのポール・ウィリアムズや、ベテラン年配女優の魅力を引き出すことでは天才的と思うことがある。「ブラック・ダリア」で小説家エルロイの複雑で緻密な世界を再現するのにはいささか無理があったが、ダークな世界を容赦なくダークなままに描く思い切りの良さは気に入っている。これからも超大作でなく、マニアックな作品をこつこつ作ってほしいと思う。


「ジャージの二人」
中村義洋監督 堺雅人、鮎川誠 水野美紀、大楠美千代、ダンカン

タイトルから想像できるように、大作でも問題作でもないが、自分にとってはただの脱力系どんより映画ではなかった。
廃校になった小学校のジャージを楽しげに着用し、ふだんは空き家になっている田舎の生家(たぶん)で夏を過ごす、ワケあり親子の話だ。
堺雅人扮する無職の息子(小説を書いている)が、浮気している嫁の手帳の中を調べる図が、何とも切ない。それでも彼女を好きなのに、ヘンなプライドがあるのか、素直になり切れない。
鮎川扮する無口なオヤジは、最初は何を考えているか分からないが、意外に自分の気持ちを素直に息子に伝えている。彼なりに失敗から学習したのだろう。
自分はこういう、スローペースで大きな進展のない映画が好きだ。鮎川親父の「何かこう…」という口癖の反復には、それ自体何の意味もないのに、彼の魅力も問題点も同時に示される。案の定離婚されやすい人物であるらしい。
見ていて予想はつくが、映画の最後に解決することは特にない。でも、それほど進展もないけど、父も子もそれなりにベターな家族関係や家庭(?)を築こうとしている。
ときどき鮎川親父がポロっと口にする言葉に妙に共感する。そして漂うように映画は続き、終わる。


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2009年07月07日

特に「エヴァ…」のファンではないのですが、映画「流星課長」だけの紹介ではあんまりなので

先週、evangelionの新劇場版「序」をテレビで放送するというので、娘と並んで見た。
十数年前これを毎週テレビ放送(たぶん再放送)していた頃は、自分は夕飯作りの合間に見ただけで、全貌が分からなかった。(もちろん、全部見ていても全貌などはまず分からないアニメなのだけど)
自分は、このアニメの中途半端な学術趣味が好きになれず、うっとうしいなあというのが第一印象で、その後かなりその印象は変わったが、根本的には今もあまり好きではない。とか言いながら、いわゆるエヴァ論議はそれなりに好きだ。崇高なものとインチキっぽいものの間を駆け抜ける楽しさがある。そしてムダにメカっぽい基地の設備の絵もけっこう好きだ。よく考えれば、それはSFの基本なのかも。

「序」が始まると、けっこう楽しんで見てしまった。意外にテレビで何度も見たシーンが出てくる。あのペンギンはイワトビペンギンだった。綾波レイの大サービスシーンには笑ったが、十何年も経ってからシンジのウジウジしたセリフを聞くと、懐かしささえあるから不思議。
どこまで作り始めに構想があり、どこから後付けなのかを考えてみるが、最後につじつまが合うと思えない(それほどエヴァの勉強もしてないけど)。それが面白い気もするけど、やはり自分は自腹でお金払って映画館でシリーズ最新作を見に行くファンにはなりそうにない。
一方子どもらは、成長してますますエヴァのファンになり、映画館に行く日を楽しみにしている。というか、幼少の頃に見た映画の意味が思春期通過して、どんどん分かっていく楽しさがあるんだろう。それは、残念だけど、自分には追体験できない。

エヴァの話題とまるで関係ないのだけど、監督つながりで、下記の短編もついでに紹介しておく。原作の「流星課長」が個人的に大好きで、何度も読んだので。
その実写版は、「何もここまで」と思うぐらい原作通りだった。偶然見ていたケーブルテレビで「流星課長」の映画が始まり、すごく期待して見たのだけど…まあ、出来は中笑いぐらいかも。原作読んでいない人は笑う気もしないかも。
このマンガを書いていた頃のしりあがり氏はまだサラリーマンだったと思う。流星課長が電車で席の争奪戦後、読み始める本が「ノルウェーの森」だった。映画にそのシーンがあったかどうかは覚えていない。
とにかく映画が終わり、監督の名前が出たときに「ええっ」て声を上げた。単なる趣味で撮ったのですかねえ。このマンガのファンにはお薦めだけど、監督の名前で期待して観るのはお薦めしない。

実写版流星課長の予告みたいな動画↓
主演:松尾スズキ(流星課長)
小日向しえ(自動ドアのマリア)
脚本・監督 :庵野秀明
原作:しりあがり寿



この短編収録の「Grasshoppa! Vol.3」は普通に購入できるそうです。
ここのカスタマーズレビュー欄に「流星課長」についての紹介があります。

http://www.amazon.co.jp/Grasshoppa-Vol-3-DVD-DVD%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/dp/B0002B5AQ6

後書:タイトルは後でつけたので、おかしなことになっています。すみません。これを書いて、結局自分はエヴァより「流星課長」や「ヒゲのOL」が好きなんだということが、自分でもよく分かりました。
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2009年06月14日

「中国の鳥人」「デトロイトメタルシティ」「ペネロピ」「20世紀少年」

今週もいろいろありまして、妙に忙しい日々です。
ちょっと暇ができると寝てしまうのですが、なんとか気合を入れて、この3日でDVDを4本見ました。
あまり説明や感想を書く暇がないのですが、それぞれ「めちゃくちゃ面白い〜なかなか面白い〜まあまあ、見てよかった」などと思ったので、自分の気に入った順に書いておきます。

「中国の鳥人」
監督 三池崇史 主な出演者 本木雅弘、石橋蓮司

「デトロイトメタルシティ」
監督 李闘士男 主な出演者 松山ケンイチ、松雪泰子

「ペネロピ」
監督 マーク・パランスキー 主な出演者 クリスティーナ・リッチ ジェームズ・マカヴォイ

「20世紀少年」(第1章)
監督 堤幸彦 主な出演者 唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子


「中国の鳥人」はくうたれさんの推薦だったので、やや古い作品ですが、見れるときに見ておこうと思いました。
 こんなに面白い映画を名前さえ覚えておらず、見逃していたなんて、なんて勿体ないことだろうと思いました。見てよかったです。
 雲南省の山奥の風景だけでなく、映像が全て好き。そのうえ、大好きな石橋蓮司が出ているので、それだけでも嬉しい映画。本木雅弘もカッコいいし、雲南のどこかの村の衣装がすごく似合っています。でもその衣装を着た石橋蓮司も絵になるのですよ。せっかくの名作にろくな感想がつけられませんが、とりあえず、これは万人におすすめです。平凡という意味でなく、だれが見ても何かしら感銘を受ける映画だと思いました。
 
「デトロイトメタルシティ」は予告が面白かったので、上映中に見たかったのですが、なんとなくチャンスを逃してしまいました。マンガのほうもまだ読んでいません。
マンガでの図を大切にしているのか、松山ケンイチがヨハネ・クラウザー・II世 の衣装を着ていないときの内股ポーズがとっても気持ち悪かったです(笑)クラウザーさんがトラクターに乗る図はなかなかよかったですね。宮崎美子お母さんもリアリティがあってよかったし、田舎でのシーンはかなり気に入っています。

ただ、クライマックスのはずのヨハネ・クラウザー・II世 vs ジャック・イル・ダーク(ジーン・シモンズ)の対決は、予想したほどの波乱はありませんでした。もっとバイオレンスたっぷりかと思っていたので、自分は拍子抜けしました(何を期待していたのか自分でも分かりませんが)
できればジーン・シモンズはもっとやせているほうがいいですね。(下にお姿を紹介しておきます)

「ペネロピ」もけっこう楽しく見ることができました。英国で作られる映画って、こういう可愛らしい映画にも独特の陰影が加わる気がします。かといって、豚の鼻をした女の子が陰湿なイジメを受けるという話ではありません。彼女は悩みを持ちながらも明るいまっすぐな性格の持ち主で、干渉的な親から自立しようとする勇気ある女の子です。彼女のお母さん役の女優さんがかなりの実力派のようなので、暇ができたら調べてみようと思いました。
彼女が恋する男性を演じるジェームズ・マカヴォイがとってもいい雰囲気です。カッコいい。これは拾い物でした(笑)

「20世紀少年」(第1章) はマンガのほうを1冊しか読んでいません。映画を見終わって、やはり映画の続きより、まずはマンガを読みたくなったのが正直な感想です。
登場人物が多いと有名な俳優や芸人を使いたくなるのでしょうが、やたら知名度の高い人がちょい役で出ています。無駄なお金を使っているような気がしましたが、その一方で中村嘉津雄が出ていたのは嬉しかったです。
この映画の好きな人には申し訳ないですが、最後のほうはあまり面白いと思えませんでした。

そう言いながらも、自分は昭和30年代生まれなので、同世代に近い人たちの体験の描写にはやはり夢中になります。自分もセイタカアワダチソウの生い茂る空き地で基地だの落とし穴だのを作って遊んだ世代です。万博に浮かる人々を見て育ち、Tレックスを聴き…と重なる体験をマンガで読み、興奮を覚えました。そうした思いを映画に持ち込み、自分と似たような体験を映画で見る楽しみはありますが、そんなノスタルジーは、この映画でどうしても味わいたいものでもありません。自分はなぜ多くの人々があのような宗教に夢中になるのか、そこに興味があります。今後その点がもっと明らかにになるということなら、続編も見たいと思います。
しかし、まずはマンガの続きが読みたいです。

最後にジーン・シモンズ師匠の雄姿:
photog036.jpg
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2009年05月18日

先週見た映画

先週水曜日から土曜まで、映画館、試写会、自宅でのDVD鑑賞で4日間連続で映画を見ました。最近は記憶力が昔より低下しているから、ふだんはなるべく間をおくようにしているのですが、久々に間を置かずに見てしまいました。
見に行った映画名は、「スラムドッグ$ミリオネア」と「消されたヘッドライン」(試写会)
DVDのほうは、「パンズ・ラビリンス」と「亀は意外に速く泳ぐ」
どれも全部面白かったです。

キャストなどはリンク先のgoo映画のページを見てください。(べつにここでなくてもいいと思うけど、とりあえず)

「スラムドッグ$ミリオネア」http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD14041/index.html

アカデミー賞作品ということでの期待もあったが、インドの映画を久々に見たいという気持ちもあり、クイズ・ミリオネアがどんな形で話にからむのか興味を持っていたので、この映画を選択。
インドのスラムの子どもたちの実態を描く姿勢が、社会批判的口調になりすぎず、ノスタルジアにどっぷり浸かるでもないところが気持ちいい。一人の青年の体験を、喜怒哀楽のどこに偏ることなく全て描き出す。
悲惨な過去をさらけ出すことに躊躇いはないが、かといってスラムの暗部の描写に拘泥しすぎることもなく、主人公たちのたくましい生き様を、ユーモアたっぷりに描く。なので、けっこう笑った。
安易ともとれる展開もあるが、テレビ司会者と主人公との心理戦の描写は芸が細かい。二人の勝負を見て、自分なら絶対「残念〜!」となるだろうなあと思った。
この映画を見た人が、ミリオネアの司会者を「インドのみのもんた」と呼んでいたが、喋り方ばかりでなく、外見も雰囲気もどことなく似ていた。ミリオネアという番組が、日本でもインドでも映画やドラマの材料になっているのは、何だか面白い。
すでに狭い会場に移っての公開だったが、レディースデーでほぼ満席。まだしばらく上映は続くかも。

続いて、試写会で見た「消されたヘッドライン」http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD14298/index.html

ラッセル・クロウとベン・アフレックは、どちらもいい俳優だが、日本での人気はどっちが高いのだろう? 同じぐらいだろうか。
ラッセル・クロウは今回やたら薄汚い感じ(笑) こういうだらしない感じもよく似合う。この二人が70年代にルームメートだったという設定なので、それならほぼ自分と同世代となるのだけど、ベン・アフレックってそんな年齢だったのかと思った。彼は監督としても活躍しているから、それほど若くもないのだろうが、、ロキシー・ミュージックのレコードを貸し借りする仲という映画の設定があまりしっくり来ないのは自分だけだろうか。一度二人の実際の年齢を調べてみようと思った。*

映画が進むにつれ、いくつかの殺人事件と、米国軍から傭兵派遣その他を請け負う企業との関連が明らかになる。そのどちらにも、コリンズ議員(ベン・アフレック)が絡む。自分は映画の最初のほうで、「これだ!」と感じて、話の真相を予想したが、途中ですっかりそのことを忘れてしまった。なので結局推理ゲームに失敗。また、手がかりが山ほど出てくるから、ずっと台詞に集中しなければならなかったが、何度かぼんやりして、重要な情報を聞き逃してしまい、最後にどうも納得できないことがいろいろ残ってしまった。とても悔しい。
映画の内容について事前に勉強しておくのが嫌いだったが、こういう映画では登場人物の名前と職業ぐらいは頭に入れておいたほうがいいようだ。

政治がらみの犯罪を身体を張って追う新聞記者、という設定には特に目新しさはないが、傭兵の育成と派遣を行う民間企業が多額の利益を得るという、何とも不快な米国の実態をベースにしている点が面白い。
ただ、話の結末が好きかと訊かれたら、正直言って微妙なところ。しかしそれより自分は、最初の自分の勘が、どうして最後まで保てなかったのかばかりを考えた。とにかく、この手の映画で推理ゲームを楽しみたい方にはおすすめの映画。ラブ・ゲームはないけど、恋愛は多少話に絡む。

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DVDで見た二つもなかなかよかったのですが、紹介する時間がなくなりました。
亀は意外に速く泳ぐ」は、モグさんPTRさんおすすめの映画だったので、見ることができて嬉しいです。
出演は上野樹里、蒼井優、岩松了、ふせえり、要潤…ですが、嶋田久作が体操している図、その他、脇役の面白さが充実していました。
確かに、「図鑑に…」より面白かったです。あのユルさが最高!

パンズ・ラビリンス」は意外にホラー路線でした。画面の美しさは最高でした。ファンタジー映画ではありますが、スペインのフランコ政権下での軍の独裁を批判する映画でもありました。よく言われることですが、童話って根底にあるのは陰惨なものなのかもしれません。

以上、バランス悪い紹介になってしまいました…すみません。

*その後ベン・アフレックの年齢は調べました。やっぱり彼はかなり若いですね。この映画ではなんとか老けた感じを出そうとしていたようです。
そしてラッセル・クロウも自分よりずっと若くて、ショックでした(苦笑)もうちょっと近いと思ってた…
posted by ring-rie at 00:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする