上原ひろみについては、何か書き始めると、たぶん「あまり好きではありません」とリピートするのと変わらなくなりそうで、何も言わないほうがいいかと思って書かないようにしていました。彼女のCDは、レンタルが多いですが、けっこうよく聴いています。最近はちょっと自分の気持ちも変わり、スタンリー・クラークとのトリオ作品「ジャズ・イン・ザ・ガーデン」を聴いてから、前よりだいぶ好きになり、動画で彼女の演奏する姿を見ると、やっぱり人気があるのも当然かなと思うようになりました。
ベーシストのStanley Clarkeのトリオに参加した彼女の演奏はけっこう気に入っています。自分はやはり、Stanleyさんのファンですので、このアルバムについて話せば彼のベースのことが話したくなりますが、日本でのこのアルバムの売られ方は、彼女がメインのようです。(このCDの情報は下記や、他にもいろいろあります)↓
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=23400
アルバム2曲目の「さくらさくら」をHiromiがソロで演奏する動画があり、これがけっこう気に入ったので貼っておきます。
彼女自身のトリオの演奏については、スロヴァキア出身のドラムのヴァリホラさんが気に入っているのですが、彼女の演奏については、最初の数十秒は魅力的でもその後はそれほど面白いと思えないことが多く、最初に書いたように、自分はこれまであまり楽しめませんでした。自分が好むような蓄積がまだまだ足りないというのが、正直な感想です。
ただ、上記の演奏や、その他の動画を見て、彼女の視覚的アピールは、今のジャズの新譜全般に徹底的に欠けるものではないかと思いました。これはただ、「見た目」とだけだ言い切れるものではないです。なぜ彼女が、他のジャズ作品に興味のない人たちを自分のライブに呼び込めるのか、とても気になります。彼女の生き様を見たい、演奏を体感したいとファンに思わせる何かがあるのだと思います。
かつて、彼女の演奏を聴いてまず思ったのは、何で彼女の人気だけが突出しているのかということでした。ジャズのミュージシャンの多くがどれほどいい作品を出しても、彼女ほどの注目を浴びることはなかなかないでしょう。
しかし現在は、ジャズのライブハウスを中心として活躍する地道なミュージシャンの素晴らしさが世間一般に広がることは難しいようです。インフラがうまく機能していないように思います。
もちろん、地道な活動をしている人たちは応援したいです。しかし、ジャズがクラシックと同じような、大衆芸能から数段上の世界にあるように見なされる昨今、「おたく」文化にも乗れない、人気もぱっとしないというジャンルに追いやられるのは、何だか寂しいです。
上原ひろみを聴いて、こんなことを考えるのは変かもしれませんが、彼女が素直に受け入れられなかった自分について考え、気づくのは、あまり自分の感性に自信を持ちすぎてもダメだということです。日々柔軟さは失われますから…
などという私の独り言はとにかく、彼女の「さくらさくら」のアレンジ、よろしかったら聴いてみて下さい。


それと彼女らの小難しい演奏は以外とプログレファンには受けるんじゃないかって思います。そういえば彼女の演奏を聴いて、あまり「ジャズ」というのは連想しないですね。ジャズのカテゴリに入ってるから何となくジャズと思ってたけど、プログレという方がシックリきそう。
ルックスも演奏もいいのに、あと一つ何かが足りない。将来もっと花開きそうな期待感も漂わせてるのに。しいていうと、その物足りなさと期待が相まって彼女に注目せざるをえないのかもしれないね。
でも、これぐらい弾ける人はジャズの世界ではたくさんいると思うので、その中でこの人が特に人気があるのは(演奏中の表情も含めて)ルックスが大きいのだと思います。
同じ国内のジャズの若手女性ピアニストってコトだったら、個人的には以前ring-rieさんがココで紹介してた山中千尋の方が好みかな。
ただ、私だったら、ピンと来ない音楽にはあんまりこだわりたくないです。例えどんなに名曲で人気があっても。だって、何のために音楽を聴いているのかと言えば、喜びを得たいから。限りある命の中で、一回でも多く震えたいのです。自分の感性が良くないとか、硬直しているとしても、その感性が「ワタシ自身」なんだと思うのです。感性の質より、「自分のもの」であることと、「震えること」を大切にしたいです。
自分の感動を大切にしたいから、もちろん人の感動についても尊重したいと思っています。だから、自分が好きになれない音楽でも、否定する気は毛頭ございません。若い頃はかなりやりましたが、アレは失礼だったと今では思っています。今はかえって、自分が好きでない音楽について、熱く語ってらっしゃるのを見るのが好きです。「この音楽にはこういう良さがあるのね」とか、「この人はこういうところに震えるのね」とか分かるのが面白いです。
ring-rieさんの感性は、私と合うところが多いので、色々参考にさせてもらっています。その上、文才もおありだから、読み物としても楽しいです。過信とか、硬直とか、心配する必要はないと思うのです。というか、もっと、「ring-rieさん」になってほしいです。
なんか、えらく長文ですみません。しかもかなり暑苦しい…
私のグダグダした思いに返事を下さってありがとうございます。それぞれに納得し、あ〜そうかあと思っているところです。
いつもならもっとコメントが書けるんですが、さきほどまで暴走するマウスポインター(詳しくはまた報告します)と格闘しておりまして、やっと解決しました。というわけで、お返事、今しばらくお待ちくださいませm(__)m
ぜんぜんだめなら関心もたないし、好きなら好きで終わっちゃうんだけど、「なんとなくのれない」音楽で気になるのがときどきある。そういうのって触りたいしつつきたいw
で、つついたあげくなにかがわかることもあって、そうすると自分という人間のポジションもわかったりして面白いです。
別にそれでその音楽を好きになることは100パーセントないんですがwなんか無性に好奇心くすぐられるときがあるなあ。
「あまり自分の感性に自信を持ちすぎてもダメ」というおことば、私も最近似たようなことを考えていました。
今までホントに感覚だけでやってきたところがあって、ちょっと今違うポイントに行きたいんです。
ちょっと視点を変えるだけで思ってもみなかった世界が見えたり、そんな旅に出たくなった今日このごろです。
>真っ赤なノードリード(シンセ)と格闘する彼女の姿がいいですね。楽しんでる様子がすごく伝わってきます。
私も、あの演奏中の表情にすごく惹かれます。オーバーアクションと思わないです。
>プログレファンには受けるんじゃないかって思います。
私の近くにもそういうファンがいます。先日も、彼女の魅力って何だろうという話になり、twangさんとほぼ同意見を聞きました。
>そういえば彼女の演奏を聴いて、あまり「ジャズ」というのは連想しないですね。ジャズのカテゴリに入ってるから何となくジャズと思ってたけど、プログレという方がシックリきそう。
そうかもしれません。カテゴリーにこだわるつもりはないのですけど、誰かと比較するときはジャズのピアニストを思い浮かべてしまいます。まあ、それは自分が一番よく聴いているからだと思いますが。
せっかく若いのだから、トリオばかりでなく、自由にやればいい気がします。数字が出せるミュージシャンだから、周囲に戦略を押し付けられている気がします。単なる私の妄想なのかもしれませんが。
>ルックスも演奏もいいのに、あと一つ何かが足りない。将来もっと花開きそうな期待感も漂わせてるのに。しいていうと、その物足りなさと期待が相まって彼女に注目せざるをえないのかもしれないね。
私が感じていることと近いと思います。いや、ほぼ同じかもしれないです。確かに、その、物足りなさが消えるときが来て、果てしなく上昇する瞬間があるんじゃないかという期待があります。その瞬間を目撃したいと思わせる何かが、彼女にあります。
やっぱり、同じようなこと言ってますね(苦笑) 成長していくミュージシャンの魅力なのでしょう。結果を見届けたいと思わせるって、やはりすごい力だと思います。
>相当人気があんでしょうね。
実際にどれぐらい売れているのか分からないですが、今はコンサート会場で演奏できるなら、ジャズ系なら大人気となるのでは?
>でも、これぐらい弾ける人はジャズの世界ではたくさんいると思うので、その中でこの人が特に人気があるのは(演奏中の表情も含めて)ルックスが大きいのだと思います。
その点なんですよ。自分がずっと引っかかってきて、「ん〜」と首をかしげることになったのが、騒がれているほどの力量を感じないということ。で、本文中のような感想が、ずっと頭の中にありました。
ただ、最近は、若いから、成長過程にあるから、ルックスで魅力があるからって理由だけではない気がしてきました。もちろんそういう要素は大きいんですけどね。twangさんのレスにもいろいろ書きましたが、ファンが成長を見届けたくなる人なんだと思います。
自分は彼女のようなタイプより、たいてはもっと地味な職人タイプのミュージシャンが好きですが、彼女の演奏、一部すごく面白いんです。そんな彼女にまた出会いたいなと思うと、なかなか出会えない。そのじれったさを無視すればそれでおしまいになるのに、近頃無視できなくなりました。
>同じ国内のジャズの若手女性ピアニストってコトだったら、個人的には以前ring-rieさんがココで紹介してた山中千尋の方が好みかな。
全く同感です。私も彼女は、文句なく(いや、文句言ってたけど〜苦笑)彼女の演奏が好きです。彼女も、間違いなく才能があり、かなり完成されていて、前向きで…とキリがないからやめますが、中身の詰まり方が違う人です。まあ、彼女の売られ方があまり気に入らないので、以前あれこれ文句言ってました。よく分かりませんが、彼女もエレピや打ち込みで結果出せる人材のように思います。個人的には、白いワンピとかやめなはれと思ってますが、それは彼女の勝手ですよね。
レスというより、言いたい放題の場に使わせていただいてますね。短くまとめたいんですが、また長くなってしまいました(苦笑)
なんか、いつも励まして頂いて、すみません。
暑苦しいなんて、とんでもない。私こそ、最近、くどいなあと思う文章ばかり書いています。そういうものを読んで頂いてありがとうございます。
ほんと、引用するのも厚かましいかと思うぐらい、ありがたい言葉を頂いてしまいました。
>人気があるものが良いものとは限らないからです。さらに言えば、人気があって良いものでも、自分の好みと合うとも限らないからです。自分の好みと合わないものを「ダメなもの」と言ってしまうのはいけませんが、無理に評価して好きになるのも変な話です。
そうです。人気は人気です。
自分は確かに放置すればいいことに拘泥しているかもしれません。あまり深入りする必要はなさそうです。しかし、上のお二方に書いたような理由で、自分の気持ちがかなり変化してきたのです。
でも、モグさんがおっしゃるように、自分の気持ちにウソをつくような形にならないようにしようと思います。
>上原ひろみに感じる疑問を解決しようと、ring-rieさんは曲を聞き込んで
あ、そんなに真面目な姿勢ではないのです。ベースのスタンリー・クラークが一緒にやろうと思ったのだから、どんな演奏かと思い、今回はいつもより聴き込みましたけど。
でまあ、「ん〜」と思ったり、「ここはいい感じ」と思ったりしながら聴きました。前よりだいぶ彼女が好きになりました。
>「だって、いいんだもん」という返事しか返ってこないかも知れませんが…。
そうなんですよね、好きなものは好き、理由なんてどうでもいいと思うのが普通。でも、自分は、ソコを暑苦しく追求したくなる(笑)
>だって、何のために音楽を聴いているのかと言えば、喜びを得たいから。限りある命の中で、一回でも多く震えたいのです。自分の感性が良くないとか、硬直しているとしても、その感性が「ワタシ自身」なんだと思うのです。感性の質より、「自分のもの」であることと、「震えること」を大切にしたいです。
それ、まったく同感です。リクツ並べて一番ブルブル震撼できる瞬間を逃して、どうするって思いますよ。誰がどう言おうが、人気があろうがなかろうが、全く関係なく、のめり込んで、その中で溶解できる一瞬に出会いたい。
ただ、自分はある時期、本当にそういう音楽に出会いたいと思って、ひたすら前のめりに何かを求めて、それに出会えないイライラが募りました。最近はその体力がないから、熱意が中途半端になっていますが、その分受け入れ範囲が広がったようです。
で、正直言って、鳥肌立つとか、霊感に触れるようなとか、そういう体験は減りました。今の自分の音楽の聴き方は、明らかに絞込みよりも拡散に向かっています。
それはとにかく、ここでのモグさんの言葉は、確かに音楽の聴き方の基本です。全くその通りだと思います。何かを感じる媒体は自分なんだから、まずは自分を満足させるものでないと、どうしようもありません。そこで迷う必要は、確かにありませんね。
ただ、私の嗜好自体が多少変わってきたのかもしれません。以前はあまり好きでなかった楽器も好きだし、「キライ」と言い切れないものが増えてきました。
とは言うものの、あまり自分の好みを拡散させると、ワケ分からなくなりそうだから、モグさんの言葉にあるような、聴き方の原点に返るのも大事ですね。
その次の箇所も引用したかったけど、長くなりすぎるので、割愛します。とにかく共感しています。
>ring-rieさんの感性は、私と合うところが多い
嬉しいです。このあたりもまた、身に余るお言葉ですが、うまく返事できません。どないしましょ〜(汗)
>過信とか、硬直とか、心配する必要はないと思うのです。というか、もっと、「ring-rieさん」になってほしいです。
うぉ〜!!!!
何か、うまく返事できませんけど。これ、引用して、リピートしている自分って、恥ずかしくない?
とにかく、末長くお付き合いくださいって、お願いするばかりです。ご指導よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
すみません、他と違う書き方はしたくないのですが、ここは引用なしでレス書きますね。
感性の信用…のところで、志穂美さんが同意してくださるとは思いませんでした。というか、志穂美さんの選ぶもの、自分はたいてい好みであるような気がするし、それだけではなく、センスや切り口がどこか違うと言うか…ロジカルだし、クールだし、いい感じでミーハーだし(笑)、好きなんですよ、すごく。
でも、それに続く言葉で、なんかすごく納得しました。
だらだら長文のレスを書きすぎて、今は言葉が出てきませんが、いつまでも自分の感性を好きでいたいから、多少は努力しないといけない気がしています。努力ってもんでもないですが、以前はさっさと否定してしまったものを、気持ちのガードみたいなものをなるべく外して見るのもいいですね。
一方では、自分みたいな辛口人間は辛口人間として、つまらん色気を出さないほうがいいのかとも思います。まあ、そんなに自分の姿勢にこだわってるわけでもないんですが、頭はなるべく柔軟にしたいものです(笑)
志穂美さんのブログ、楽しみにしています。ここのところ更新が多いですね。これからもマイペースで、書けるときに書いてください。